co-meetingはいかにテキストチャットで会議を実現したか – テキスト会議とは(2)

「テキスト会議とは」と題した3回連載の第2回です。第1回は以下のリンクからお読みください。

第1回:会議ができるテキストコミュニケーションツールはなぜ現れなかったのか?
第2回:co-meetingはいかにテキストチャットで会議を実現したか
第3回:テキストで会議を行うことのメリット

第1回で会議は以下の様な特徴を持つ最も複雑なコミュニケーションであるため、会議を実現するテキストコミュニケーションツールが現れなかったのではないかと書きました。

  1. 音声並みの会話速度
  2. 長い発言のサポート
  3. 多岐に渡る話題の整理

co-meetingがどのようにこれらの課題を解決しようと試みているかを今回の記事ではお話しようと思います。

第2回:co-meetingはいかにテキストチャットで会議を実現したか

基本的にはライブタイピングチャットと階層構造のチャットの2つの機能で解決を試みています。

まず、以下のアニメーションをご覧ください。

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ライブタイピングチャット

従来のチャットのよう一文まとめてではなく、一文字一文字書いた途端に相手に表示されるチャットです。

階層構造のチャット

上のようにコメントが階層構造になっています。これによって複数の話題が同時に走っても、この発言の下はこの話題と迷うことがありません。見たことのない方はぜひこちらの動画もぜひご覧ください。

音声並みの会話速度

タイピングは話すよりもどうしても遅くなってしまいます(速い人もいますが^^;)。ですが、上の2つの機能により、音声会話を超える会話の速さを実現しています。

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これがその理由の図解なのですが、わかりますでしょうか?

まず、co-meetingは相手が書き終わらないと読めないという従来のチャットの遅さを、相手が書いている途中から読めるという音声会話だったら普通のことをライブタイピングによって実現し、会話を高速化しています。

次に、図を見るとco-meeting(Live Typing)だけ発言(キーボード)が重なっているのがわかりますか?これはco-meetingだけ同時に発言しても問題ないことを意味しています。実は音声会話は同時に話していません。誰かが発言しているときはみんな聞いていますよね?

co-meetingは階層構造チャットによって同時に発言、つまり、誰かが書いている間に別の意見を書くということを可能にしています。

これは音声には実現できません。音声は同時に発言したら聖徳太子以外は聞き取れませんよね?テキストなら発言をリアルタイムに見なくても、残るので後から見れます。しかも、5分かけて書いた発言でも2秒で読めてしまいます。

つまり、会話の速度というより、会話の密度(濃さ)が大きくなるのです。同じ1時間会議をしてもco-meetingの方が情報量が多くなります。

だからco-meetingで会議するとすごく疲れるのですが、とても効率的です。

長い発言のサポート

長文ってチャットでしますか?あまりしませんよね?できないわけではないのですが、そこで長い発言をしてもその後が続かないことが目に見えているから、しようと思わないのだと思います。

でも、会議では朗々と自分の意見を話すとか、説明をするってごくごく普通のことですよね。ということはco-meeting以前は、まとまった発言は、事前にメールやOffice文書で送るか、話していたわけです。

そもそもなぜチャットでは長文の後が続かないかと言いますと、長文はある一部分に対して意見を言いたくなるのですが、チャットではそれができないのです。せいぜい>を使った引用返信をして大事な話題が忘れ去られたり、何の話をしているかわからなくなったりするのです。

音声会議でも同じですが、口での長い説明が終わった後に「始めに言ってたXXだけど、…」とか戻って質問しても、音声なら会話速度が速いし、伝わってなければ雰囲気で察して補正することができるので、なんとかなっているわけです。

あと音声の場合は、途中で遮って意見を言うということができますね。実はこれが一番わかり易いと思います。(ただし、説明は遮られる…)

co-meetingでは、この途中で意見を言う(でも、遮らずに)ということを「文中コメント」という機能で実現することで、長い発言を元にしたディスカッションをむしろ音声より理想的に実現しています。

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これは第一回のブログ記事の推敲のディスカッションですが、こんな風にブログ記事案を書いている最中に書くのを遮らずに途中にコメントを挿入していくことができます。

このようにco-meetingでは長い発言から始まるディスカッションも文中コメントによって、音声よりむしろスムーズに行うことができます。

多岐に渡る話題の整理

これは階層構造のチャットで実現しています。以下の図を見ていただければ一目瞭然かと思います。

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チャットで複数の話題が混ざってくると(これはよくあることです)、どれに対する返信なのかわからなくなることがありませんか?上の図のようにこれは階層構造にすることで解決できます。

リアルタイムなチャットを階層構造で実現することは別の課題があって、それをco-meetingでは解決していたりするのですが、それはまた別の話…

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いかがでしょうか?co-meetingが会議ができる唯一のテキストコミュニケーションツールであることをご理解いただけたでしょうか?

実はこれらの機能は2012年4月にサービス終了したGoogle Waveが備えていた機能です。Google Waveはco-meetingとは用途が異なり、メールを代替するソリューションを目指して、サービス提供されました。その革新的な機能とは裏腹に、その難解さ、UXの悪さ、提示した用途の不明瞭さ、初期の不安定さ、など様々な理由から、人気を獲得することができませんでした。(それでも100万ユーザは獲得したのですが、メールの代替を目指したのでおそらく目標からはほど遠かったのでしょう。)

Google Waveの特徴であったライブタイピングチャットとスレッド構造のチャットは、従来のメール・チャットで行なっていたような不特定多数とのコミュニケーションではなく、ある特定のグループ(会社、NPO、学校のグループ課題など)での会議を始めとするもっと深く複雑なグループディスカッションにこそ適していると我々は考え、co-meetingを開発しました。

Google Waveの技術を継承しつつ、その技術が適した使い方にフォーカスすることで、さらに洗練されたプロダクトにしていこうとしています。ぜひ応援してください。

さて最終回の第3回はテキスト会議が普通の音声会議より優れている点についてお話しようと思います。では、最終回をお楽しみに。

会議・ディスカッションができるテキストコミュニケーションツールはなぜ現れなかったのか? - テキスト会議とは(1)

2012.07.09